ぼくのミステリな読書日記 2002年3月
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2002/04/12(金) デジカメの修理費が23600円って……。 理不尽に思いながら清水義範「迷宮」を読了
ーン。
何てこったい。
イヤ、実はですね、今日デジカメ修理の見積もり連絡が来たのですよ。
その電話の声がまた、とてもすまなさそうな遠慮がちに「あのぉ、もしもし……こちら富士フィルムですが……修理の件でお電話を……」。
なんか、イヤーな予感がしたんですね。

そもそも、修理に持ち込んだときには、「修理費は部品代と工賃として、5,000円から15,000円くらいになると思います」って言われたんです。まあ買って以来、2年経とうとしているから、それぐらいの修理代は仕方ないかな、なんて思っていたんです。

その予感を裏打ちするかのように、電話の向こうではさらに「メインの基板を交換しまして……」なんて言い出すものだから、ますますイヤな感じは増幅。

すると案の定、最後には本当に消え入りそうな声で(← 大げさ度120%)「……23,600円に消費税が掛かります」。

に、に、に、にまんさんぜんろっっぴゃくえん……絶句。

「どうしてそんなにかかるのですか?」と聞くと、「ハイ、通常の部品だと数百円なんですけど、今回交換をするメイン基板は、それだけで18,000円するのです……」とのこと。
おいおい、数百円程度の部品交換なら確かに判らないでもないけど、メイン基板を交換するほどの壊れようって、まさに「ぶっ壊れちゃった」ということでしょうか。

でもねぇ、どうも納得できないんですよねぇ。
別に落としたわけでも水に濡らしたわけでも何でもない、普通に使えていた数日後に、突然動かなくなっちゃったんですから。

どこをどうしたらそんな壊れ方をするのでしょうか。
それでもまあ、これはお気に入りのカメラだから、修理をお願いしちゃったんだけど。

ョックのあまりに逃避モードで、1冊読了。
今日の読了本は清水義範『迷宮』(集英社)。これはなんと紹介すればいいんだろう。帯には「バトル・ミステリー長編」なんて書いてあるけど、ちょっと違うような気がするなぁ。
物語は、女子大生がストーカーに殺された事件を「ノンフィクション小説」「週刊誌記事」「小説家の手記」「取材記録」「手紙」「供述書」の形式によって語られる、というもの。
作者得意のパスティーシュスタイルにより、各メディアの記録をさまざまな角度から描くことで、「何が起こったか」を各メディアの記録者の主観により矛盾を浮きあがらせようとしている。
そこにおまけとして、記録を読む主人公の男とその彼に記録を読ませる男とのやり取りのなかで事件の伏線がさりげなく……でもないか、とりあえずは「お楽しみ」程度に用意されている。


2002/04/13(土) 花が満開!久々の写真付お散歩帳。そして古本屋で鮎川哲也、海渡英祐と楳図かずおを購入
が強いながらも、今日はとてもいい天気でしたねぇ。
ということで、いくら家でゴロゴロしているのが好きなぼくでも、「これはもったいない」と、大急ぎで午前中に洗濯を済ませ、お昼ごはんに蕎麦をツルツルッと食べると、デジカメ片手に家の外へお出かけ。
お出かけといっても、特にどこへ行くでもなく、家の近所の住宅街をブラブラするいつものお散歩なんですね。

そんな訳で、今日は3月24日以来久々の「写真付きお散歩帳」です。

……ちなみに、今日持って出たデジカメは、会社のカメラを持ち帰ったものであって、決して例の23,600円もの修理費を払って戻ってきたものではありません。
これは来週に戻ってくる予定……。

今年最後のサクラ
開花が異様に早かった今年のサクラも、いよいよこれで見納めになるのでしょうか。
駅周辺の桜並木は、今が満開でした。

今が見どころ
住宅街のあちこちでは、今や花が咲き乱れています。
ついつい「きれいだなー」と見とれてしまうのですが、これじゃあまるで他人の家を覗き込んでいる不審者ですね。
あ、デジカメを持ってパチパチ撮りまくっているから、不審者を越えて変質者の域にまで達しているかも。……そリゃあ、ヤバイぞ>オレ。

柵から花が溢れ出ています
もうたわわに咲き乱れて(←“たわわ”の使い方がおかしい)、柵の外まではみ出して「見て、見て、ほらきれいでしょ」と自己主張をしているのです。その自己主張ぶりに敬意を表して写真をとってあげました。
あるいは、柵の隙間から身を乗り出して外を眺めている子供たちのようにも見えますね。

柵から覗き見る人
「きれいだなー」と庭先の花々を眺めながらブラブラしていると、目が合ってしまいました。
す、すいません……ぼくは決して怪しい者じゃないです。

ここから下は、ぼくの個人的趣味によりモノクロームとさせていただきました。
うーん、なかなかシブイやん。

自販機
住宅街の真ん中に自販機村がありました。夜間にはきっと歩道を明るく照らすオアシスの役目を果たしていることでしょう。……逆にヤンキーの溜まり場になっているのだったらイヤだけど。

ツタに絡まれた謎の建造物
これ何だろう? 線路の工事に使う何かの建造物? それにしちゃ、ツタでグルグル巻きにされていて、しばらく使われている形跡はないしなぁ。
前から気になっていた物件に、今日はチャンスなのでとりあえず撮っておこう。

青空のもと、青空駐車禁止
いや、特に意味はないけど、「青空駐車」なんて言葉聞いたのがものすご〜く久しぶりで、なんか懐かしいものを感じたから、青空(といってもモノクロームなので判りませんが)を写しこんでの撮影。
看板の下でしゃがみ込みながら撮影していたので、これまたよっぽど怪しくみえたことでしょう。

ガード下、放置自転車が1台
今日1番のお気に入り写真です。
ガード下の暗さと階段向こうの明るさの対比、そして放置された自転車は、持ち主が暗いガード下を抜け出して、明るい階段向こうへ向かっていった様子が想像できますよね。

散歩していると、古本屋を発見。ついフラフラと入り込んでしまい物色。
ただし、そんなに大きな本屋ではなかったので、めぼしい在庫品はなく、とりあえず目に付いた以下のものを購入。

鮎川哲也『裸で転がる』(角川文庫)100円
かつて鮎哲の短篇集は角川文庫でズラッと揃っていたんだけど、軒並み絶版になっちゃいました。ただ、最近は復刊の動きもあるので、いったい何の作品を読めるのか読めないのか、判らない状況になっています。そんな訳で、鮎哲の短篇集は、目に付けばとりあえず買うようにしているのです。

海渡英祐『影の座標』(講談社文庫)100円
講談社文庫の黒背が棚に並んでいると、思わず手にとってしまいます。
あまり江戸川乱歩賞作家って、作風がアレ(江戸川乱歩賞風味ってことね)なもので好きじゃないんだけど、山村正夫が解説でなにやら“作品全体に仕掛けられたトリック云々……”と述べているのが気になり、まあ100円でもあるしハズレでもいいかーてな軽い気持ちで買ってしまいました。

楳図かずお『洗礼 1〜4巻』(小学館文庫)1,400円
いったい楳図かずおの代表作って何でしょうね。ファンがいるだけの数、代表作品が挙げられるような、そんな気がします。
ちなみにぼくは「おろち」「漂流教室」「わたしは真悟」を挙げるかな。
で、きっと代表作品に挙げられる可能性が高い『洗礼』、実は持っていませんでした。
ようやく今日、購入。
ウーン、しかし考えると今年は「イアラ」しかり、この「洗礼」しかり、個人的に楳図かずおの年になりそうな、そんな気がします。


2002/04/14(日) 首都高湾岸線を走行中に夕陽を撮影、そして楳図かずお『洗礼』のネタバレに怒り爆発
社に行く用事があったのですが、電車で行くのが邪魔くさい。
……ということで、今日もお天気がよかったので、クルマで会社に行きました。
首都高速の湾岸線で東京に向かったのですが、とっても気持ちいいですね。

お仕事を済ませ、再び湾岸線で帰宅。
ふと道路の向こうを見ると、夕陽がまさに沈もうとしている光景が広がっているではないですか。メチャクチャきれいな景色に、運転しながら「カメラ、カメラ……」とカバンをゴソゴソ。
カメラ(会社の持ち帰っているヤツですね)が見つかると、今度はハンドルを握りながら夕陽の方角にカメラを向け、シャッターをパシャリパシャリ。
ファインダーは覗かないので(というか、覗けない)、どのような写真になっているかは運を天に任せてただひたすらに「パシャリ、パシャリ」。

そのうちにシャッターがおりなくなり、「あれ、また故障か?」
よくよく見ると……なんてこったい、撮影済みのデータ量がフラッシュメディアいっぱいになって写せなくなっているんです。
仕方がない。
高速運転中にフラッシュメディアを交換するわけにもいかず、泣く泣く撮影は終了。
帰ってきて早速調べてみましたが、一応観られる写真は1枚だけ撮れていました。
(よい子のみんなは、オジサンのこんな真似をしちゃ、ダメだぞ)
首都高湾岸線からの夕陽

うも夜、眠れない。
別に不眠症になったとか言うことじゃなくって、単に体内時計がまるっきり昼夜逆転してしまっているようだ。
そんな訳で、翌日が休みの日だと、いつもの出勤時刻が就寝時刻になる。
「このままじゃ精神的にも肉体的にもダメになってしまう」と、昨日の夜こそはきっぱりと早く寝ることを決意していたのだが、どうしても買ったばかりの楳図かずお『洗礼』(小学館文庫)が気になって仕方がない。
「……1巻だけ読んでしまおう」などと、ついつい甘い誘惑にかられ手にとったが最後、結局4巻まで一気に読破し、寝たのは朝7時。
うー、窓の外のスズメがチュンチュンとうるさいぜ。

しかし、その『洗礼』ですが、ウワサにたがわず大傑作。徹夜して読んだ甲斐もあるというものです。

ただし、「これから小学館文庫で読む」という方、1巻の解説には要注意です。
ここでは手塚眞が、解説を書いているのですが、この人、ビジュアリストということで、こうした作品の解説のお約束を知らないのか、解説者の風上にも置けない「モロネタバレ」をしているのですよ。

うがぁぁぁぁぁ、なんてこったい。
このネタバレ文章をモロに読んでしまったではないかぁぁぁぁぁ!

まだ1巻しか読んでいないのに、解説により物語における仕掛けを明かされて、作者のせっかくの趣向が台なしになってしまっているのですよ。

なんだかこのネタバレリスト(誰がビジュアリストなんて呼んでやるか、胡散臭いぜ)である手塚眞に、本の購入代金と“作者の趣向を純粋に楽しめなかった”ことに対する精神的苦痛への慰謝料を請求したい気分です。

……なんか書いているうちにまた腹がたってきた……プンプン。


2002/04/17(水) 1冊8,000円が8冊、1年半掛けてマタ〜リと刊行される……のか?『日影丈吉全集』
年「出る」「出る」と言われ続けてきて、それでもしつこくまだ出ていない幻の『日影丈吉全集』ですが、いよいよ今年の9月から隔月で刊行されるようですねぇ……。

クロネコヤマトのブックサービスでは、早速購読予約受付が開始されていますね。
いや、単行本に対して「購読」はおかしいだろうけど、やっぱり隔月で9回も送られてくるのだったら「購読」がもっとも適切な印象かと。

しかし、値段を見て「あおう!」

お、おそろしい。
なんと1冊定価が8,000円。それが全部で9冊……。
うひー。

しかも隔月刊ということは、コンプリートまで1年半掛かるのか。
なんと気の長い話なんでしょうね。

確かに国書刊行会のWebサイト内、話題のコーナーでは、

 全小説はもちろんのこと、主要エッセー・少年小説等も収録。
 単行本未収録短編は約4000枚、100篇に及ぶ。


だなんて魅力的なことを書いているんですけどね……。
まぁ、一気に8冊まとめて出さなかっただけでも、ありがたく思わなければいけないのかもしれないなあ。
毎月発行されていても、泣いていたかも。


2002/04/18(木) 驚愕!東京のオフィス街の昼休み、覆面パトカーに囲まれて馬車がカッポレ、カッポレ。
やいや、実に驚きました。
さすがは東京、目にモノを見せてくれます。

何の話かというとですね、今日の昼休みのことなんです。
「さて、昼飯に何を食べようか」なんて考えながら、丸の内をブラブラしていたんですね。
で、大きな道路でいい天気の空でもボーっと眺めながら信号待ちをしていると、道路の向こうから「カッポ、カッポ、カッポ、カッポ……」なんて耳慣れない音が、しかも複数で近寄ってくるんですよね。
何だ、何だ、何だ……と音のする道路を見てみると

うひゃぁ、スッゲー

なんとオフィス街のど真ん中だというのに、東京駅に向かって馬車が走ってくるじゃないですか。
周りにはパトカーやら覆面パトカーやらを引き連れて、2〜3台の馬車が目の前をカッポ、カッポ、カッポって通り過ぎていくんですよねぇ。

もうここは明治時代か、ニューヨークかってなもんですよ。

そう、ぼくがボーっと信号待ちをしていたのは、皇居から東京駅中央口に向かって伸びている「皇室御用達道路」だったんですね。
普段は中央部分がクルマ留めなんかが置かれていて使えないようになっているのだけど、確かに今日はクルマ止めがない!
いやぁ、ここの道路が使われているのを初めて見ましたねー。

確かに、ウワサでは「“やんごとなき方々”が東京駅に向かう際には、皇居から馬車でカッポカッポ向かう」とか、「そのときには、信号は全て馬車の進行方向だけ青になって、あとは全て赤にされる」とかいろいろと聞いてはいたのですけど、目の当たりにして確信。
ウワサはホントの本当、嘘偽りのない真実だということがよーく判りました。

思わず「カメラ、カメラ……」と探したけど、こんなときに限って持ってないのものなのです。
早いところ、修理が出来上がったデジカメを引き取りに行こうっと。

ところで、肝心の馬車の乗り主が誰かまでは、判りませんでした。
どうも外国人のような容姿だったから、表敬訪問しにきたお客さんだったのかもしれません。
でもせっかく訪問してきたお客さんなのに、帰りには馬車なんかでお送りしたら、それはもう立派な「晒し者」にされているみたいで、かえって失礼にあたるのではないかと余計な心配をしてしまいます。
そのうえでぼく自身、固く決意するのでした。
「もしぼくが皇居に招待されるようなことがあったら、帰りは電話でMKタクシーを呼ぼう」って。

週は読書が遅々として進まない。
月曜日から、ディーン・R・クーンツ(← まだミドルネームの“R”がある頃に買った本)『ハイダウェイ』(文春文庫)
おそらく明日中には読み終えれるでしょう。


2002/04/19(金) デジカメ修理、窓口交渉の結果、修理費が約1万円引き! 気分よくクーンツ『ハイダウェイ』を読了。
うやく、修理に出していたデジカメが戻ってきました。

修理費も、4月12日の時点では、23,600円などと、「もう1台新しいのを買いなさい」と暗にほのめかされているような、そんな見積もり金額が出されていたのですが……

やりました。

窓口の方と交渉すること約5分、ほぼ1万円引きの14,600円にしてもらえたのです。うひひ。

これは前にも書いたことですけど、例えばカメラを落としたり水に漬けたりしてしまい故障したのだとしたら、それはこちらの使用上の責任でのトラブルなので修理費がバカ高くついても仕方がないと納得できます。
でも今回は、別に何も悪い使い方はしていないのです。
それなのにいきなりメイン基板を取り替えなければいけないような、そんな重大な故障が発生したってことが、どうにも納得いかないんですね。

で、もし仮に今回とりあえず修理費を払って返してもらっても、いつまた同じトラブルが起こりうるか判らない。
だからせめて

 ・なぜそのような故障が起こったのか、その原因を教えて欲しい
 ・その故障の原因を回避するための、使用上における注意を教えて欲しい


……なんて、サービスセンターの窓口の方にトクトクと語ったりするものだから、先方には「ありゃ、コイツはひょっとして電波系のクレーマーなのかな」なんて思われちゃったのかもしれません。

サービスセンター担当者が、内心ぼくのことを「電波系クレーマーに違いない」なんて誤解されているとも露知らず(← 電波系に加えて被害妄想系の気もあるのか?)、1万円引きもの結果に「やったね!」なんて嬉々と銀座の街をスキップしながら、サービスセンターを後にするぼくなのでした。

これで、明日からはまた色々と写真付きお散歩帳ができます。

修理明細書

み始めてちょうど1週間、ようやくディーン・R・クーンツ『ハイダウェイ』(文春文庫)を読了した。

いやー、本当に長かった。
クーンツも、一時はスティーヴン・キングと並んでメチャクチャ凝っていた時期があったのですけど、そろそろ彼が創作する物語のワンパターンぶりに、飽きてきていることに気がついたのです。

もちろん、この作品も他の作品のご多分に漏れず物語の中心を貫くのは「愛」「愛」「愛」「愛」「愛」……。
そして主人公を付けねらう正体不明の殺人鬼。主人公と殺人鬼の接点は超自然的な現象。
っかぁぁぁぁ〜、たまらんです。
ほとんど全ての作品が、まるでテンプレートに沿って組み立てあげられたかのように、同じパターンなんですね。どれもマンネリ作品なんですよ。

確かに、以前はそのワンパターンが「面白い」「同じパターンだからこそ、安心して読むことができる(水戸黄門のようなもの)」と感じていたのかもしれません。
でもさすがにこう何度も同じパターンの物語を読んでいると、どうしても飽きてくるものなんです。

もうそろそろクーンツは卒業なのかな。
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